テラシュールブログ

旧テラシュールウェアブログUnity記事。主にUnityのTipsやAR・VR、ニコニコ動画についてのメモを残します。

Gear VRを使えば、電車内でバーチャル映画館に行けるのか

f:id:tsubaki_t1:20160706230441j:plain

Gear VRを入手し、ついでにGalaxy s7も入手し、かつ大阪に行く機会があるという状況が重なりました。ので、新幹線で移動中にGear VRでバーチャル映画館に行って映画を見てみました。

Gear VRとは?

Gear VRはGalaxy s6やGalaxy s7といったスマートフォンと接続することで、比較的手軽にVR体験が可能なデバイスです。

www.samsung.com
その特徴はケーブルレスかつViveやPSVROculus RiftのようにPCをしない点です。その為、今回のように場所を選ばず使用出来ます。

なお、より安価な方法としてGoogle Cardboardがありますが、体験としては数段落ちる感じになるんじゃないかなと[要出典]。

実験開始

さて、ではOculus Videoで映画の視聴してみます。

今回は大阪→東京間の電車内で実験します。使用機材はGear VR(コンシューマー版)とGalaxy S7、あと周囲の音を消したいのでBose社のQuietComfort 20を使用します。

www.youtube.com
さて、どうでしょう。

f:id:tsubaki_t1:20160706230425j:plain

[good]快適な視聴と高い没入感

電車内で映画を見るのは、意外と大変です。

例えば、絵を見るためには「ディスプレイをテーブルの上に載せる」か、もしくは「腕で支えてやる」必要があります。これを長い間続けるのは意外と面倒くさいです。

また、窓の外の環境、例えば日差しの向きや輝度の変化、反射光等で環境が刻々と変わるため、それに対応する必要があります。

その辺り、Gear VRでビデオを見るならば余り気にする必要がありません。何せ、(光学的には)周囲の環境にほぼ依存しないデバイスです。また、頭にくっつけているので腕を持ち上げる必要すらありません。

[good]パーソナルスペースが確保されて超快適

まず思った事は、「あ゛あ゛~楽だわ~」という事です。隣に見知らぬ誰かが居るというのは、気にしなければ意識的に忘れる事も出来ますが、まぁ余り良い物ではありません。新幹線や飛行機といった公共の乗り物は、割とパーソナルスペースを削ります。

 

その辺り、Gear VRを使用しているとVR環境に入り込んでいるので、ほぼ気にならなくなります。少なくとも自分自身は、他人が見えなくなるので気になりません。

 

ついでに、外から「何を見てるのか」わかりません。
アニメとか堂々と見れます。最近のアニメは唐突に肌色シーンが出てくる事があって油断できない。

 

VRをつけてる方が怪しいって?hahaha

[good]シアターは意外と酔わない

個人的にVRバイスの最大の問題は「酔い」だと思っています。これは「酔いにくい」「酔いやすい」云々というより「30分プレイして体調不良を起こすコンテンツはダメ」というレベルだと考えてます。
何故かと言えば、毎日30分プレイして体調不良を起こしていたら、その後条件反射的に体調不良になるからです。というか一時、VRバイスを頭に被るだけで条件反射的に体調が悪くなりました。

その辺り、シアターアプリは一部を除いてほぼ問題はありませんでした。移動も無いですし、頭を動かすこともほぼ無いです。また、手前に席がある関係上、画面内の映像が横にスクロールしても酔いは発生しません。

f:id:tsubaki_t1:20160706234022j:plain

これが全天球ムービーなら話は違ったかもしれませんし、立体視してたら問題を起こしたかもしれません。また、背景を黒一色で埋めたり、ムービーが空間に浮いてるといった表現だと酔ったかもしれません。

 

[bad]バイスの熱がやばい

さて、悪い点ですが、まずは何よりスマートフォンの発熱がやばいです。
具体的には30~40分で熱によるパフォーマンスダウンの警告が出ます。最新のGear VR+Galaxy s7で出るので、ソレ以前の環境だと、もっと早く出るかもしれません。また、見る映像やエンコードで変化するかもしれません。

 

上手く冷却してやれば数分で再開出来るので、逆に「30~40分で休憩」と考えれば良いのかもしれませんが、ちょくちょく出てくるので少し悩ましい所です。

ちなみに熱でパフォーマンスダウンしても、継続して視聴出来ます。FPSが10~15くらいになる印象ですが。

お陰で充電しながら視聴出来ません。怖くて。

 

電池は意外と持ちます。

[bad]線路の方角や加速減速で向きがズレる

線路の向きにより、シアターの向きが曲がります。新幹線は特に「常に直進している訳ではない」ので、気づいたら左を向いていたりします。また線路によってはゆっくり変化するため、「自身が左を向いてる事に意外と気づきません」

気がついたらHMDごしに隣の人をガン見してるなんて事も…

 

対策は、傾いてきたら「戻るボタン長押しで位置をリセット」や、「Gera VR外して付け直す」といった感じになりそうです。

[bad]映像品質の低下と読みにくい字幕

映像を見る上では「ソコソコ問題無い」ですが、少し色数が減っている気がします。

また字幕はきついです。画面上を見ながら字幕を見ると、字幕部分がゆがんで見えます。視点を上下させながら字幕を見てたら酔うかもしれません。

感想

人はVRバイスを使えば、電車内でバーチャル映画館に行って映画を見れます。個人的には割と快適に見れました。


熱は兎も角として「ジャイロセンサーが反応するせいで向きがズレる」問題さえなければ、本当に良かったのですが、そこだけが残念な所です。

AR技術で傾きを補正したり、本体とは別のジャイロセンサーから席の傾きを取って補正するといった事をすればよりマシに出来るのかもしれませんが、それはそれで熱がやばそうな気がしなくも無いので何とも。
いっそのこと一眼ハコスコを頭に固定して見るとかの方が良いかもしれませんが、果たして。

 

次は飛行機乗る時にでも試してみたい所です。

関連

tsubakit1.hateblo.jp

tsubakit1.hateblo.jp

 

そういえばniconicoVRってUnityで作ってたんですね。Oculus HomeとかGear VR GalleryとかSamsung Internet for Gear VRとかもそうでしたが。