テラシュールブログ

旧テラシュールウェアブログUnity記事。主にUnityのTipsやAR・VR、ニコニコ動画についてのメモを残します。

サウンドゲームジャムでゲームを作ってきた

先日サウンドゲームジャムなるイベントに参加してきた。
要するにサウンドをメインに置いたゲームジャムで(実際に使うかはチーム次第だが)約二日間で1本のゲーム開発を目指す感じのイベントだ。

世界でも珍しい「サウンドゲームジャム」をCRI・ミドルウェアが開催
http://www.inside-games.jp/article/2013/04/24/65878.html

ちなみに今回は泊まりこみは無し。要するに本当に20時間前後でゲームを一本作る感じになった。(寝袋を持参した人)今回のテーマは「スペース」 つまりスペースでサウンドなゲームを作る感じになる。

ちなみにチームは7名。内2名脱落の5名(+お手伝い2)で作成した。途中でPC置いて食事に行ったまま帰って来なかった彼は大丈夫だったのだろうか・・・(PC借り物って話だし)

スクリーンショット 2013-04-25 23.52.53


一日目

まずは企画を練る所だが、地味に難航した。というのも、アイディアを出しあって「彗星を惑星に投げる」所まで決定したが、そこから先が中々決まらなかった。最終的には2つのアイディアが残り、議論の末に前者になった。

・惑星の周りに衛生を大量に置く
・衛生を投げて惑星まで到達させる

その時の企画書はこんな感じ。絵が汚いとか、そんな些細な事は気にしないが吉。やはり手書きの絵とボディランゲージが最強の意思疎通手段だと思う。絵がかける人すごいなー憧れちゃうなー。
スクリーンショット 2013-04-26 0.05.18

ちなみに、途中でゲームのストーリーを考えたほうがイメージしやすいとの事から、2つの設定が追加された。

・丸型人工衛星を投げて惑星探索を完遂させるのが目的
・衛生は宇宙開発局NASUが国家予算を使って発射している

作業の管理だが、今回は手元に付箋が無かったので、紙にタスクを書いて横線を引いて消していった。うん、意外と何とかなる。ただし粒度をあまり細かく出来ない(しにくい)ので、やはり付箋が最強な気がする。
Webサービスやgitで作業内容を共有する案も出たが、今回は物理的にあった方が正解だったように思う。ただPG以外は余り活用されていなかった感。

2013-04-21 10.31.58

初日のα発表では、とりあえず簡単な絵と動くギミック等について説明した。まだ「投げる」「つながる」のギミックが完全に個別開発されていたので全体の絵は理解しにくかったかもしれない。
ちなみに「尾を引いている丸型の小さな衛生」が「大きな惑星に引き寄せられる」という絵面から、精子卵子のゲームとか言われた。いや、うん、確かにそう見えるよね。

スクリーンショット 2013-04-25 23.56.45
この規模の衛生が落ちたら地球滅亡するわー・・・とか話しながら開発。

ちなみに、この地球は解像度が高くて勿体無いので、もっと軽いやつを作ってもらった。


二日目

少し作業を進めると、ゲーム自体が致命的につまらない事が発覚。急遽ゲーム内容を変更する。今思えば「サウンドゲームジャム」なのでサウンド関連の機能強化で満足すべきだったのかもしれない。

ゲームは企画前者の「衛生を置くゲーム」から「衛生を投げて配置するゲーム」に変更し、惑星と衛生を投げるポイントを大きく離した。本来ならば投げた衛生と惑星の相対値でカメラをズームしたかったが、時間がなかったので後回しになった。

スクリーンショット 2013-04-26 0.41.30
大きさを色々と調整した結果、大体下くらいの画面比率に。

後は機能をガスガスと追加し、最後にサウンドを追加した。音源はADX2LEを使用し作成した音源を利用した。音のクロスフェードは地味に面倒な要素だが、単純に再生・ストップをコールするだけで出来てしまったのは驚いた。

ADX2LEのサウンドだが、音のインポートからプレハブの用意までをサウンドの人が担当してくれたので、プログラム側はオーディオ再生をコールするだけで良かった。本当にデザイナーがUnityを使えるとサクサク組み上がる。

ちなみにサウンドに「再生する度に9種類の音楽から一種類を選んで再生する」といったギミックを仕込んでいたらしく、それに気づかず再生をコールしまくったためアグレッシブな音楽が再生されるトラブルもあったが、些細なこと。むしろプログラマ側から意識せずランサム再生&音のフェードイン・フェードアウトなんてギミックを仕込めるのは面白い。というか楽。

ちなみに惑星移動中と惑星探索中で音楽が異なる。

あと音楽は何で作っているのかは見ていないが、多分Graph Arpeggiator 3で作ってたんじゃないかと思う。説明を片耳で聞いていたが、波形をちょっと弄るだけでリズムとフレーズを生成してくれるらしい。なにそれすごい。

Graph Arpeggiator 3
http://www.nakataka.net/grapharp.html

スクリーンショット 2013-04-26 0.26.28

開発途中で安定のレッドブルリポビタンDの差し入れが投入。これにハッピーターンがあれば完璧だったのだが、残念ながらうまい棒しか来なかった。ちなみにレッドブルリポビタンDを飲んだ。実はジャム終了後に勿体無いのでレッドブルをもう一本飲んだのだが、これ3本で致死量とか言われた。なにそれ怖い。

昼食後、方向転換も概ね完了しゲームとしての体裁を取った。具体的にはゲームクリア条件とゲームオーバー条件を追加した。

・惑星探索が完了するとクリア
・予算が尽きるとゲームオーバー

スクリーンショット 2013-04-26 0.58.52

その際、強い要望のあった惑星爆発を実装。探索しにきたのに惑星が爆発するとはこれいかに。ちなみに探索機を発射する以外にも人件費があり、これがタイムオーバー的な役割を果たす。人件費はすごい勢いで減っていく感じ。開発中に「お金が尽きた!」とか「お金足りない」とか叫んでるのは、大体これのせい。

スクリーンショット 2013-04-26 0.56.10

最終的には何とか形になり、スタートからゲームオーバー・ゲームクリア等々のゲームとして最低限の体裁を持てる形まで持っていけた。またiPadへの出力まで対応出来たので(元々タッチパネル想定のゲームだった)概ね良しといった感じ。

ちなみにアングリーバードスタイルで、タッチして衛星を配置 → そこから引いて力と方向を決定 → 指を話して発射 といった感じの動作。

衛生の名前やエフェクトもかなりクールで、見た目は良く出来たと思う。ゲーム性は、すごく難しいと評判。一発クリア出来たのは一人くらいなんじゃないかな(暴論)
また見た目は綺麗だがゲームが良く分からんといった意見も多数。次回こういった機会があればHowToPlayのシートを1枚作ってもらうのがよいかもしれない。

スクリーンショット 2013-04-26 1.22.18

最後は打ち上げ。計14人の大人数でファミレスに凸った。ファミレスには悪いことをした。
チームによってはタイムオーバー後も開発を継続していたり、今回も実りのある良いゲームジャムであった。

実際に遊べるデモは明日にでも。ただADX2LEはWebPlayerに対応していないので、Windows/Androidになるかも。


次は福島ゲームジャムかな!

東北ITコンセプト 福島GameJam2013
http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1000