テラシュールブログ

旧テラシュールウェアブログUnity記事。主にUnityのTipsやAR・VR、ニコニコ動画についてのメモを残します。

【Unity】AddressableでSprite ModeがMultipleなスプライトを使用する

AddressableでMultiSpriteを使用する方法についてです。

Unity 2019.1 Addressable 0.8.4 preview

追記:1.1.4で問題なく使えるようになりました

    async void Start()
    {
        var sprites = await Addressables.LoadAssetAsync<IList<Sprite>>("sprites").Task;

        foreach (var sprite in sprites)
        {
            Debug.Log(sprite.name);
        }
    }

マルチスプライト

Unityで2Dゲームを作るとき、2Dスプライトをパッキングすることがあります。 このとき、SpriteAtlasを使うか、パッキングしたテクスチャをSpriteEditorでスライスするかを選択出来ます。

f:id:tsubaki_t1:20190617230856j:plain

今回はSpriteをSpriteEditorでパッキングした場合の、Addressable対応についてです。

AddressableはSubAssetを直接ロード出来ない

結論から言えば、パッキングしたスプライトをロードすることは出来ません。
正確に言えば、SubAssetというカテゴリに当たるファイルを、直接指定してロードすることが出来ません。

これはTextureからSprite一覧を取り出したり、FBXからAnimationClipを抽出したり等です。

厄介な事にFastModeでは動いてしまうので一見問題が無いように見えますが、Packed Modeにすると動かない事が確認出来ます。例えば下のコードはPackedだと動きません。

public class LoadSprite : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] int id;
    
    async void Start()
    {
        var sprites = await Addressables.LoadAssetAsync<Sprite[]>("sprite").Task; // packed だとエラー
       GetComponent<SpriteRenderer>().sprite = sprites[id];
    }
}

これはSpriteAnimationといった「アセットを使用しているだけ」のケースでは問題無いのですが、キャラクターアイコン等の「スプライトをケースバイケースで差し替える」といった場合に問題になるかもしれませn

解決方法

解決方法は、SubAssetでなくす事です。アプローチは幾つかあります。

アイディア1: スプライトを取り出す

テクスチャからSpriteを取り出します。例えばCtrl + Dで複製する等。実際にはエディター拡張でやるべきですが、まぁそれはそれ。

Spriteは「メッシュ&UV&テクスチャへの 参照 」の情報なので、複製して通常のアセットにしてやれば、普通にロードが可能です。

f:id:tsubaki_t1:20190617234443j:plain

アイディア2:SpriteAtlasに格納する

SpriteAtlasに格納する方法もあります。

SpriteAtlasにスプライトを設定すると、スプライトは再パッキングされます。そのかわり spriteAtlas.GetSprite(str) でスプライトを取得出来ます。

UVが既存のテクスチャから変化する点に注意です。またパック元になるテクスチャは必ず無圧縮にします。

f:id:tsubaki_t1:20190618000513j:plain

アイディア3:適当なScriptableObjectに参照させておく

UV等の情報を維持したままスプライトをロードしたい場合、適当なScriptableObjectから参照しておき、それをロードさせるというアイディアもあります。

例えば下のようなScriptableObjectを用意しておき、スプライトをすべて登録しておきます。

using UnityEngine;

[CreateAssetMenu(menuName ="SpriteRefs")]
public class Sprites : ScriptableObject
{
    public Sprite[] value;
}

f:id:tsubaki_t1:20190617235535j:plain

あとは普通にScriptableObjectをロードすれば、そのScriptableObjectが参照するSpriteを取得出来ます。

public class LoadSprite : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] int id;
    
    async void Start()
    {
        var sprites = await Addressables.LoadAssetAsync<Sprites>("sprites").Task;
       GetComponent<SpriteRenderer>().sprite = sprites.value[id];
    }
}

感想

SubAssetがロード出来ないという問題があるので少々面倒ですが、一応回避方法はあるという事で。

関連

tsubakit1.hateblo.jp

tsubakit1.hateblo.jp

【Unity】TextMeshProのテキストに表示するスプライトをAddressableから取得する

TextMeshPro はスプライトをAssetBundleから取得してみます。

検証環境

addressable 0.8.6 unity 2019.3.0 a3

TextMeshProのスプライトをAddressableに格納する

下の記事を参考に、テクスチャからSpriteAssetを生成します。

www.snoopopo.com

作成したSpriteAssetにアドレス spritesheet を設定しておきます。

f:id:tsubaki_t1:20190530013425p:plain

TextMeshProのスプライトをテキストに適応する

スプライトをロードして、実際にテキストに反映させます。

コード的にはTextMeshProUGUI.spriteAssetにロードしたスプライトを設定するだけで良いです。

using UnityEngine;
using TMPro;
using UnityEngine.AddressableAssets;

public class LoadSpriteSheet : MonoBehaviour
{
    async void Start()
    {
        var spritesheet = await Addressables.LoadAssetAsync<TMP_SpriteAsset>("spritesheet").Task;
        GetComponent<TextMeshProUGUI>().spriteAsset = spritesheet;
    }
}

あとはリッチテキストでスプライトを表示させれば、スプライトが表示されます。例えばスプライト名が 8bit_1の場合、下のようなテキストで表示されます。 なお、これで設定したSpriteSheetは、TMP SettingsのDefault Sprite Assetで設定したスプライトより優先されます。

sprite <sprite name="8bit_1">test

f:id:tsubaki_t1:20190530013735j:plain

もしテキスト毎にSpriteSheetを追加するのが面倒くさいという場合、下のようなコードで追加しても良いかもしれません。

ただし下のコードはTMP_Settingsが上書きされる点に注意です。

        spritesheet = await Addressables.LoadAssetAsync<TMP_SpriteAsset>("spritesheet").Task;
        TMP_Settings.defaultSpriteAsset.fallbackSpriteAssets.Add(spritesheet);

【Unity】Timelineのアニメーションに微調整を加える(Humanoid編)

前回に引き続き、Timelineのアニメーションに微調整を加える方法です。

今回はHumanoid向け

HumanoidはTimelineでアニメーションを上書きしにくい

Humanoid Rigで動く部位の場合、Genericと同じ方法でアニメーションの微調整が出来ません。というのも、Timelineから生成するアニメーションは基本的にGenericになるので、Humanoidとは互換性がない為です。

(つまり髪や手首といった

なので、Humanoidのアニメーションを微調整したい場合、IK を使用するか、Constraint で少し動作に追加エフェクトをかける必要があります。

f:id:tsubaki_t1:20190523223841j:plain

IKを使用する場合

IKを使用する場合、AnimatorのIKを使用して手や足の位置を調整します。

IKの設定は普通に行います。例えば下のようなコンポーネントをIKを使用するAnimatorに設定します。

using UnityEngine;

[RequireComponent(typeof(Animator))]
public class CharacterIK : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] AvatarIKGoal goal;  // どの部位のIKを使用するか
    [SerializeField] AvatarIKHint hint;  // goalと同じ部位のヒントを選択
    [SerializeField] Transform goalTransform;// 最終的な位置
    [SerializeField] Transform hintTransform;// 肘や膝の位置のヒント

    [SerializeField][Range(0, 1)] float weight, hintWeight;

    private Animator animator;

    void Start()
    {
        animator = GetComponent<Animator>();
    }

    private void OnAnimatorIK(int layerIndex)
    {
        animator.SetIKPosition(goal, goalTransform.position);
        animator.SetIKHintPosition(hint, hintTransform.position);

        animator.SetIKHintPositionWeight(hint, hintWeight);
        animator.SetIKPositionWeight(goal, weight);
    }
}

f:id:tsubaki_t1:20190523224340j:plain

あとはIKを動かせるようにする訳ですが、ここでのポイントがAnimatorControllerでIKを有効化する事です。Timelineで動かす場合もIKの設定は有効になるみたいです。

もし対象がカットシーン専用データ(AnimatorControllerを持っていない)場合は、空のAnimatorController(AnimationClipが一切登録されていない)でもOKみたいです。

f:id:tsubaki_t1:20190523224554j:plain

これでTimeline中でも視点や手の位置といった部位は調整出来ました。

個人的にはTimelineの仕組みを考えるとバグな気もしますが、動きます。

Constraintを使用する場合

IKが使用できないケース…例えば腕の向きを僅かに変更したい…つまりFK的なアプローチが必要な場合は、こちらで行います。

これは正直なところ、コードのLateUpdateで更新する方が理にかなっているような気もしますが、面倒くさいのでConstraintで云々してしまいます。例えば足を少し調整したい場合

  • Rotation Constraint を足のボーンに追加
  • Rotation Constraintに足のボーンとエフェクターを設定
  • 有効な方のウェイトを1にして、他を0にする

という感じで行けます。

f:id:tsubaki_t1:20190523230029j:plain

関連

今回のIKのアプローチを使用してボーンを動かすプロダクトです。

github.com

【Unity】Timelineのアニメーションに微調整を加える(Generic編)

DCCからアニメーションをUnityに持ってきてから、Timeline上のアニメーションを微調整したいといったケースがあります。例えばドラゴンが噛み付く位置が少しズレているだとか、棍棒を叩きつける位置が微妙に違う等。特にオブジェクトの配置をゲーム上で行っている場合、DCCツールとUnityエディターを行き来するのは少し面倒そうです。

ということでTimeline上で微調整してみます。なお、今回はGeneric用のアプローチについてで、Humanoid用は次回です。

1. Timeline上でアニメーションを再生する

まず最初にGenericなモデルをタイムライン上でアニメーションしている状態です。普通にアイドルモーションしています。

この状態はボーンの位置がTimelineのAnimationClipで決められているので、首を動かしたり少しズラしたりすることは出来ません。

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ドラゴンのアイドルモーション

2. モーションを編集しやすくする

ボーン構造を少しズラします。ただAnimationClipを編集するのは正直行いたくないので、FKベースでアニメーションの動きを少しオーバーライドします。
この最初の手順は、リグを視覚的に見やすくします。

Aniamtion RiggingBone Rendererコンポーネントを使用して、ボーン構造をSceneView上に表示します。

メッシュのボーン構造(動かすとモデルが変形する、OptimizedGameObjectで非表示になるGameObject)をBoneRendererのTransformsにドラッグ&ドロップすれば、ボーン構造が視覚的に確認出来るようになります。また、ボーン構造それ自体を選択しやすくなり、編集しやすくなります。

f:id:tsubaki_t1:20190508223918j:plain

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3. アニメーションをオーバーライドする

Timeline上のアニメーションをオーバーライドします。

  1. AnimationTrackを右クリックしてAdd Override Trackを選択
  2. レコードボタンを押してレコード開始
  3. 動かしたいタイミングでキーフレームを登録

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これでTimeline上でアニメーションを少し編集出来ますが、少し問題があります。

4. オーバーライドしたアニメーションの範囲を限定する

上の手順でアニメーションを編集した場合、編集した内容が最初から最後まで反映されっぱなしになります。特定の瞬間だけ上書きしたいので、これは望ましくありません。

なのでアニメーションの範囲を限定し、ついでにオーバーライドするアニメーションが既存のアニメーションに自然につながるようにします。

  1. AnimationTrackでConvert to clip trackを選択
  2. 変換したAnimationClipを選択
  3. Ease in durationEase out durationに0以外を設定

f:id:tsubaki_t1:20190508225315g:plain

これでGenericなキャラクターの動きを微調整出来ます。

感想

実際には完全オーバーライドよりお「+N°回す」的な方が多いかもしれません。そういったものはLateUpdateで補正するなり、色々と。

なおこのアプローチの本質は「Genericモーションを作って上書き」なので、Humanoidの場合は別のアプローチが必要になります。それは次回。

関連

今回使用したモデル

assetstore.unity.com