テラシュールブログ

旧テラシュールウェアブログUnity記事。主にUnityのTipsやAR・VR、ニコニコ動画についてのメモを残します。

【Unity】TextMeshProのテキストに表示するスプライトをAddressableから取得する

TextMeshPro はスプライトをAssetBundleから取得してみます。

検証環境

addressable 0.8.6 unity 2019.3.0 a3

TextMeshProのスプライトをAddressableに格納する

下の記事を参考に、テクスチャからSpriteAssetを生成します。

www.snoopopo.com

作成したSpriteAssetにアドレス spritesheet を設定しておきます。

f:id:tsubaki_t1:20190530013425p:plain

TextMeshProのスプライトをテキストに適応する

スプライトをロードして、実際にテキストに反映させます。

コード的にはTextMeshProUGUI.spriteAssetにロードしたスプライトを設定するだけで良いです。

using UnityEngine;
using TMPro;
using UnityEngine.AddressableAssets;

public class LoadSpriteSheet : MonoBehaviour
{
    async void Start()
    {
        var spritesheet = await Addressables.LoadAssetAsync<TMP_SpriteAsset>("spritesheet").Task;
        GetComponent<TextMeshProUGUI>().spriteAsset = spritesheet;
    }
}

あとはリッチテキストでスプライトを表示させれば、スプライトが表示されます。例えばスプライト名が 8bit_1の場合、下のようなテキストで表示されます。 なお、これで設定したSpriteSheetは、TMP SettingsのDefault Sprite Assetで設定したスプライトより優先されます。

sprite <sprite name="8bit_1">test

f:id:tsubaki_t1:20190530013735j:plain

もしテキスト毎にSpriteSheetを追加するのが面倒くさいという場合、下のようなコードで追加しても良いかもしれません。

ただし下のコードはTMP_Settingsが上書きされる点に注意です。

        spritesheet = await Addressables.LoadAssetAsync<TMP_SpriteAsset>("spritesheet").Task;
        TMP_Settings.defaultSpriteAsset.fallbackSpriteAssets.Add(spritesheet);

【Unity】Timelineのアニメーションに微調整を加える(Humanoid編)

前回に引き続き、Timelineのアニメーションに微調整を加える方法です。

今回はHumanoid向け

HumanoidはTimelineでアニメーションを上書きしにくい

Humanoid Rigで動く部位の場合、Genericと同じ方法でアニメーションの微調整が出来ません。というのも、Timelineから生成するアニメーションは基本的にGenericになるので、Humanoidとは互換性がない為です。

(つまり髪や手首といった

なので、Humanoidのアニメーションを微調整したい場合、IK を使用するか、Constraint で少し動作に追加エフェクトをかける必要があります。

f:id:tsubaki_t1:20190523223841j:plain

IKを使用する場合

IKを使用する場合、AnimatorのIKを使用して手や足の位置を調整します。

IKの設定は普通に行います。例えば下のようなコンポーネントをIKを使用するAnimatorに設定します。

using UnityEngine;

[RequireComponent(typeof(Animator))]
public class CharacterIK : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] AvatarIKGoal goal;  // どの部位のIKを使用するか
    [SerializeField] AvatarIKHint hint;  // goalと同じ部位のヒントを選択
    [SerializeField] Transform goalTransform;// 最終的な位置
    [SerializeField] Transform hintTransform;// 肘や膝の位置のヒント

    [SerializeField][Range(0, 1)] float weight, hintWeight;

    private Animator animator;

    void Start()
    {
        animator = GetComponent<Animator>();
    }

    private void OnAnimatorIK(int layerIndex)
    {
        animator.SetIKPosition(goal, goalTransform.position);
        animator.SetIKHintPosition(hint, hintTransform.position);

        animator.SetIKHintPositionWeight(hint, hintWeight);
        animator.SetIKPositionWeight(goal, weight);
    }
}

f:id:tsubaki_t1:20190523224340j:plain

あとはIKを動かせるようにする訳ですが、ここでのポイントがAnimatorControllerでIKを有効化する事です。Timelineで動かす場合もIKの設定は有効になるみたいです。

もし対象がカットシーン専用データ(AnimatorControllerを持っていない)場合は、空のAnimatorController(AnimationClipが一切登録されていない)でもOKみたいです。

f:id:tsubaki_t1:20190523224554j:plain

これでTimeline中でも視点や手の位置といった部位は調整出来ました。

個人的にはTimelineの仕組みを考えるとバグな気もしますが、動きます。

Constraintを使用する場合

IKが使用できないケース…例えば腕の向きを僅かに変更したい…つまりFK的なアプローチが必要な場合は、こちらで行います。

これは正直なところ、コードのLateUpdateで更新する方が理にかなっているような気もしますが、面倒くさいのでConstraintで云々してしまいます。例えば足を少し調整したい場合

  • Rotation Constraint を足のボーンに追加
  • Rotation Constraintに足のボーンとエフェクターを設定
  • 有効な方のウェイトを1にして、他を0にする

という感じで行けます。

f:id:tsubaki_t1:20190523230029j:plain

関連

今回のIKのアプローチを使用してボーンを動かすプロダクトです。

github.com

【Unity】Timelineのアニメーションに微調整を加える(Generic編)

DCCからアニメーションをUnityに持ってきてから、Timeline上のアニメーションを微調整したいといったケースがあります。例えばドラゴンが噛み付く位置が少しズレているだとか、棍棒を叩きつける位置が微妙に違う等。特にオブジェクトの配置をゲーム上で行っている場合、DCCツールとUnityエディターを行き来するのは少し面倒そうです。

ということでTimeline上で微調整してみます。なお、今回はGeneric用のアプローチについてで、Humanoid用は次回です。

1. Timeline上でアニメーションを再生する

まず最初にGenericなモデルをタイムライン上でアニメーションしている状態です。普通にアイドルモーションしています。

この状態はボーンの位置がTimelineのAnimationClipで決められているので、首を動かしたり少しズラしたりすることは出来ません。

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ドラゴンのアイドルモーション

2. モーションを編集しやすくする

ボーン構造を少しズラします。ただAnimationClipを編集するのは正直行いたくないので、FKベースでアニメーションの動きを少しオーバーライドします。
この最初の手順は、リグを視覚的に見やすくします。

Aniamtion RiggingBone Rendererコンポーネントを使用して、ボーン構造をSceneView上に表示します。

メッシュのボーン構造(動かすとモデルが変形する、OptimizedGameObjectで非表示になるGameObject)をBoneRendererのTransformsにドラッグ&ドロップすれば、ボーン構造が視覚的に確認出来るようになります。また、ボーン構造それ自体を選択しやすくなり、編集しやすくなります。

f:id:tsubaki_t1:20190508223918j:plain

f:id:tsubaki_t1:20190508224040g:plain

3. アニメーションをオーバーライドする

Timeline上のアニメーションをオーバーライドします。

  1. AnimationTrackを右クリックしてAdd Override Trackを選択
  2. レコードボタンを押してレコード開始
  3. 動かしたいタイミングでキーフレームを登録

f:id:tsubaki_t1:20190508224552g:plain

これでTimeline上でアニメーションを少し編集出来ますが、少し問題があります。

4. オーバーライドしたアニメーションの範囲を限定する

上の手順でアニメーションを編集した場合、編集した内容が最初から最後まで反映されっぱなしになります。特定の瞬間だけ上書きしたいので、これは望ましくありません。

なのでアニメーションの範囲を限定し、ついでにオーバーライドするアニメーションが既存のアニメーションに自然につながるようにします。

  1. AnimationTrackでConvert to clip trackを選択
  2. 変換したAnimationClipを選択
  3. Ease in durationEase out durationに0以外を設定

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これでGenericなキャラクターの動きを微調整出来ます。

感想

実際には完全オーバーライドよりお「+N°回す」的な方が多いかもしれません。そういったものはLateUpdateで補正するなり、色々と。

なおこのアプローチの本質は「Genericモーションを作って上書き」なので、Humanoidの場合は別のアプローチが必要になります。それは次回。

関連

今回使用したモデル

assetstore.unity.com

【Unity】Animation Rigging、人型以外のキャラクターにもIKを!

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今回はUnity 2019.1のPackageManagerで使えるようになるAnimation Riggingについてです。

Animation Rigging

AnimationRiggingは、Animation C# Jobsの上でキャラクターを手続き的に動かす機能みたいです。例えばIKをセットアップしたり、動きを調整したり。

それ以外でもTimelineで動くキャラクター(Humanoid)の腰に回転を加えてみるなど、特定のシーンでの微調整といった意味では中々に面白い機能です。

f:id:tsubaki_t1:20190120234137g:plain
キャラクターの腰の動きをオーバーライドする

IKで言えばAnimator(Mecanim)に標準で付いているじゃん!という考えもありますが、MecanimのIKはHumanoid限定なのに対して、AnimationRiggingはGenericなRigを持つキャラクターでもIKを利用出来ます。正確にはIKを実装すれば使えるというのが正しく、最初から付いてるのはTwoBoneIKだけです。(サンプルだとフルボディIKがあったんだけど…)

例えば下のキャラクター(明らかに人型ではない)の足の動きはIKで作成しています。足の最終的な位置だけを示して、後はIKの機能で調整していると言った感じです。

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足をIKで動かす

他にもアニメーションで動くキャラクターのTransformのオーバーライドや、複数の動きのブレンドなど色々と出来るみたいです。

  • Blend Constraint
  • Chain IK Constraint
  • Damped Transform
  • Multi-Aim Constraint
  • Multi-Parent Constraint
  • Multi-Position Constraint
  • Multi-Referential Constraint
  • Multi-Rotation Constraint
  • Override Transform
  • Twist Correction
  • Two Bone IK Constraint

実際に使ってみる

実際にコレを使ってみます。今回試す機能はTwoBoneIKです。2つの関節でIK表現を行います。

アームの先端を動かすと、先端につながるようにアームの位置が補完されています。

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TwoBoneIKでアーム

試した環境

  • .NET 4.x
  • Unity 2019.1
  • Animation Rigging ver 0.1.4

手順

まずアームを作ります。

最も親となるGameObject「ARM」の下に、Root > Mid > Tipになるように親子構造を構築します。この時、親となるGameObjectを回すと綺麗に子のボーンが回るようにメッシュの位置を調整しておきます。

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親子構造でアームを作る

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FKで動かせる事の確認

次にRigを設定します。

ARMの下にRigというGameObjectを作成し、RigコンポーネントTwoBoneIKConstraintコンポーネントを追加します。

Rigオブジェクトの下にTargetとHintというGameObjectを生成し、TwoBoneIKConstraintに登録していきます。この時TargetはTipと大体同じ位置に配置しておくが吉です。

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あとはRigBuilderを作成し、先ほど作成したRigオブジェクトを登録します。これでゲーム実行時にTwoBoneIKが動作します。

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動画でみたい場合、下の動画が分かりやすいです。

www.youtube.com

また導入の際、パッケージからサンプルが導入出来ます。中に色々とサンプルが入っているので追ってみるのも面白そうです。

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