テラシュールブログ

旧テラシュールウェアブログUnity記事。主にUnityのTipsやAR・VR、ニコニコ動画についてのメモを残します。

【Unity】Unity 2018.1でunsafeなコードを使う

今回はunityでunsafeなコードを使う方法についてです。

 

以前はUnityは公式的にはUnsafeはサポートしていませんでしたが(unsafeを使う手順は存在して、IL2CPPもunsafe向けコードを出力していた)、Unity 2018.1辺り?からオプションとしてunsafeに対応したみたいです。

 

 

Unsafeなコード

まず検証用に適当なunsafeを使用したコードを用意してみました。
構造体の配列を持っているコードで、各要素に対して直接内容の書き換えを行っています。
元々のコードはこちら

gist.github.com

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実行結果を確認すると、ちゃんとyの中身をxに再設定出来ています。
また3つ目の要素に12を直接代入出来ている事も確認出来ます。

 

なおコードにはIl2CppSetOptionを使用しています。これはIL2CPPでC# からC++に変換する際のオプションで、unsafeでも効果があります。
特に[Il2CppSetOption(Option.NullChecks, false)]はポインタのアクセス時のコストを回避出来ます。ArrayBoundsChecksはポインタ上では要らんですが、まぁ。

Il2CppSetOption.NullChecksやArrayBoundsChecksはNativeArray使う分には要らんかな?どうだろう(未検証

docs.unity3d.com

Unsafeなコードを利用する

Unsafeなコードを利用したい場合、PlayerSettings > Other SettingsのAllow 'unsafe' Codeを有効にします。

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少し注意すべきなのが、Assembly Definition FileにもAllow Unsafe Codeのオプションがあります。これはAssembly Definition File毎にunsafeを許容するかの設定になっています。

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少しややこしいですが、PlayerSettingsのallow unsafe codeはプロジェクト全体の設定(ADFが設定されていないコード全て)ですが、Assembly Definition Fileで更に個別に設定できるという感じみたいです。

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もしIl2CppSetOptionが必要な場合(速度が欲しくてunsafeを使用してる)場合には、Il2CppSetOptionAttribute.csも必要です。
Il2CppSetOptionAttributeは{インストールしたフォルダ}/Editor/Data/il2cpp以下にあるのでプロジェクトに突っ込んでおきます。

もしAssembly Definition Fileを使用してる場合は、依存関係の構築も忘れずに。

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関連

お馴染みJacksonDunstan.comのIL2CPPでunsafeを使用した時にどのようなコードが生成されるのかの解説記事

jacksondunstan.com

C# 7.2の機能を使用したい場合はincrementalcompilerを導入します。

baba-s.hatenablog.com

unsafeはコチラが分かりやすいです

ufcpp.net

さり気なくunsafeとか使ってたりします。

tsubakit1.hateblo.jp

【Unity】ProBuilderがなんか重い対処

ProBuilderでステージを作るときに何か重い…というものの対処についてです。

 

 

ProBuilderで作成…あれ重い?

ProBuilderでモデルを作って色々する訳ですが、何かやたらレスポンスが悪かったりSceneViewの視点を動かすのに時間がかかるという事があります。

ライトを焼いてるせい

これは大抵、ライトを焼いてるせいです。
ProBuilderは初期設定でLightmapStaticにチェックが入っているので、最初からライトを焼き付ける設定になっています。
またProgressive LightmapperがとてもCPUを専有するので、エディターのレスポンスが非常に悪くなります。このベイクがオブジェクトを動かす度に発生するので、そりゃあ重いかもしれません。

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対策1:自動的にベイクするのを止める

一番手っ取り早いのが、自動的にベイクするのを止める事です。
「まだ編集中なので今はライトが必要ない」というニュアンスで使えます。

LightingSettingsのAuto Generateのチェックを外せばOKです。

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勿論、ライトマップを焼かない事で間接光表現が無くなり、遠距離の影が表示されなくなったり、本来明るくなる場所が暗いまま、ビルドしたらなにか違う結果になる…といった問題は残ります。
作業が終わったら一旦GenerateLightmapを実行するのが良いです。

 

対策2:ライトマップを最初から諦める

対策その2では、ライトマップを最初から完全に諦めます。そのために、ProBuilderの生成するオブジェクトからLightmap Staticのチェックを外す設定を行います。

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ProBuilderのStatic Flagsで、生成時のStaticフラグを設定できます。ここでNothingを設定しておけばOKです。
なお、自分の初期設定ではNothing(実際にはEverything)という中々にロックな設定でした。一旦手動でNothingに変更することで明確にNothingになります。

 

対策3:Enlightenを使用する

Progressive Lightmapperは非常に高いCPU負荷を要求してきますが、Enlightenはそこまでエディターをロックせずベイク出来ます。

ので、設定をEnlightenに変更することで、物凄い負荷を計上してくるのを回避します。

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対策4:ライトのベイク負荷を下げる

Progressive Lightmapperを使い続けたい場合、ライトのベイク負荷を下げます。
LightmapResolutionは初期設定では40という、屋内向けの超解像度が設定されています。これを12とか10に設定すると、ライトのベイクは直ぐ終わるしライトのベイクで重い部分は直ぐ流れます。
他にもDirectSamplesやIndirectSamples等を調整することで、10分のベイク時間が3秒になります。

間接光などの表現を維持しつつ、結果を得たいという場合です。

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【Unity】知らないと苦労するかもしれない、Timelineと座標の話

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Unity 2018.3以降の場合

この記事の内容の幾つかは当てはまりません。

tsubakit1.hateblo.jp

 

Unity 2018.2までのTimelineの座標系の話

今回はTimelineで知らないと多分死ぬ思いをする、Timelineの座標系の話です。
この部分を気にせず使用すると、「Timeline再生時にキャラクターが変な所に出現する」「Timeline操作を止めるとキャラクターの位置がおかしい」といった事が発生するかもしれません。 

 

AnimationControllerがAnimatorにセットされていれば現在位置から移動、無ければ絶対座標からアニメーションを開始する

Timelineで知っておくべき最初の事は、Timelineの移動モードはAnimationControllerの有無で変わるという点です。
TimelineのAnimationTrackから操作するキャラクターにAnimationControllerがセットされている場合には、キャラクターはTimelineを再生開始した位置から移動を始めます
逆にAnimationControllerが無い場合は、Timeline上で指定した位置を移動します

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例えば下のアニメです。

ユーコにはAnimationControllerがセットされず、逆にユニティちゃんにはAnimationControllerをセットしました。

Timelineで指定した動きは、ユーコの移動するパス(つまりオレンジから青に移動し、90度回転する)です。
ユーコはAnimationControllerがセットされていないため、どの座標に居たとしてもTimeline開始時には開始点であるオレンジに戻ります
一方ユニティちゃんはAnimationControllerがセットされている為、現在位置から移動を開始します

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ApplyTrackOffsetはAnimationControllerの有無で用途が異なる

今ひとつ用途のわからないApplyTrackOffsets。

AnimationTrackの説明文には以下のように書かれています。

Apply Track Offsets を有効にすると、選択したアニメーショントラック上のすべてのアニメーションクリップに同じ位置と回転のオフセットを適用できます。トラックオフセットの適用には シーンビューでギズモを使用して位置と回転のオフセットを設定する方法と、正確な位置と回転のトラックオフセットを指定する 2 つの方法があります。

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ではコレが何の役に立つのかというと、AnimationControllerの有無により動作が異なり、それにより用途が異なります。

 

まずAnimationControllerが無い場合…座標を調整したり同じ動きを行うキャラクターを量産する用途に使えます。
例えば下のように、同じようにダッシュするが位置が微妙に違う…みたいな場合には、トラック毎にApplyTrackOffsetの位置を少しずつズラせば、複数体を配置出来ます。

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ではAnimationControllerがセットされている対象を動かす場合は?
この場合はゲーム再生時にApplyTrackOffsetが無視されます

AnimationControllerがセットされている対象のApplyTrackOffsetは、キャラクターのアニメーション開始位置を調整した状態でのプレビューに役立ちます。
上に書いたとおりAnimationControllerはTimeline開始時から移動であるため、ステージの何処かで呼ばれる事になります。その時に、実際に動かしてみて確認ではなく、キャラクターの開始点をOffsetで動かしてプレビューする事が出来る訳です。

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なおRecorded OffsetやClipRootMotoinOffsetは微妙に似ている機能ですが、こちらはAnimationClipの開始点を0にするための設定です。こちらもAnimationControllerがある場合は無視されます。

 

AnimationControllerがセットされている場合、移動にはApplyRootMotoinが必要

Timelineでキャラクターをアニメーションしながら動かす等をする訳ですが、AnimationControllerの有無により動かし方が異なるみたいです。

 

AnimationControllerがセットされているキャラクターは、ApplyRootMotoinにチェックを入れていない場合、キャラクターはその場でバタ足をします。

逆にAnimationControllerが無い場合にはApplyRootMotionにチェックを入れなくとも動くみたいです。

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ApplyRootMotoinを使用してないがAnimationControllerを使用している(多分95%の)人々は、親のオブジェクトに乗せて動かすとか、Tween系のTrackを用意して動かすとかでも良いかもです。
Tween系のTrackはDefaultPlayablesに参考になるものが入ってます。

tsubakit1.hateblo.jp

Timelineを編集後、キャラの位置がズレるのはPreview中にキャラの位置を編集しているため

Timelineを使用していてよくあるのは、Timeline編集後にキャラクターが変な位置に移動する…というものです。これはTimelineのPreview中に編集していたりするとよく起こります。

TimelineのAnimationでの移動や座標指定は、TransformコンポーネントではなくAnimationで指定するかApplyTrackOffsetによるものです。そのためGizmoで何時ものように動かすと、再生時に変な所に移動したり、Preview停止時に全て元に戻ったりします。特に親子関係の構築は絶対に止めましょう。

 

その他Timelineで「何か設定が反映されてない」とか「プレビューが予想と違う」みたいな場合には、Previewボタンを押して一旦TimelineのON/OFFを切り替えると、大抵治ります。(TimelineのGraph生成(Preview)時に色々集めたり設定を揃えてる事が多いのでこうなる)

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それがAnimationControllerが無い場合はプレビュー後にキャラがどこか変な所に飛んでいくだけですが、AnimationControllerを持つキャラクターの場合は、何処か飛んでいった先から移動を開始するので、これは注意が必要です。
逆を言えば、プレビュー中でも特定の位置に動かせるって事でもありますが、それを嬉しいかと言えば、うーん

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要するに

AnimationControllerがあればゲームキャラクターのイベント用

AnimationControllerが無ければカットシーン用

 困ったことがアレばPreview連打

 

宣伝

Timeline使ったこと無い人向けに実況やります。

軽めで雑談しながら色々とやったりします(主にntny氏が)

 

関連

TImelineで物理演算の動きを再現するの面倒だよねという話

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ExposedProprtyTableは大体Preview時に色々と集めるので。

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座標系を理解してないと、妙な挙動になる代表

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【Unity】ProBuilderで作ったパーツを組み替えてステージを作る アプローチ

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パーツの組み合わせで簡単なステージを作ってみるのを試してみました

 

 

 パーツを組み合わせてステージを作るアプローチ

ステージを作る上で、地形を粘土のように調整して作るスピードレベルデザイン法式ではなく、パーツを組み合わせてステージを作るアプローチをProBuilderでやってみました。

例えば下のようなパーツを用意して、それを組み替えていきます。

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考え方的にはタイルマップに似ていて、グリッドに合わせてオブジェクトを配置していく感じです。複雑な地形であっても、ある程度のパターンで作れるのが魅力です。

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このアプローチでは、部屋のレイアウトのみを作成して、屋内の家具や照明といったものは作りません。例えば下の図のように、部屋の中が殺風景にならないように余計なものを一杯置くのはあとで行います。

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ステージのパーツを作る

まずはパーツを作っていきます。
必要なものは「接続部分の大きさが固定」である事と「パーツの大きさが固定」である事です。なので、ProBuilderでは規格的な物を作っていきます。

 

PlaneをProBuilderで作成します。この時、大きさは10x10、分割数は5とします。

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パネルを選択するモードにして、パーツの壁の位置を選択していきます。例えばカドが閉じているステージの場合は、下のように選択していきます。

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選択した板を壁にします。Shiftを押しながら上に持ち上げても実現出来ますが、高さが固定出来ないのでパネルのボタンを使用して持ち上げます。

高さはAltを押しながらクリックで設定できるようになります。

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持ち上げた壁には背景が存在します。この背景は大抵の場合は見える事は無いので排除していきます。そうすると、ステージのライトを焼いた時に使用するライトマップの範囲が大きく減ります。

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他のパーツを作る場合、接続部さえ綺麗になっていれば概ね綺麗に繋がります。

 

パーツを使い回すために出力する

パーツの数が揃ってきたら、次はファイルとして出力します。ProBuilderはモデルをPrefabとして出力しても何も残らないので、アセットとして出力する必要があります。

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 出力する際には、FBX ExporterかOBJ法式で出力するのが良さそうです。
それ以外だと出力の度にアセットのGUIDが変化し、Prefabへの参照が破棄されます。

個人的にはFBX Exporterが安定してる印象です。

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またExportする際には上書きしないとアセットが反映されないので、オブジェクトの名前は一定規則で持って作っておいたほうが良さそうです。

 

並べる

出力したら「アセットとして出力したパーツを使って」並べるだけです。残念ながらオートタイルのような機能は無いので頑張る必要があります。
例えばVキーを押してスナップ位置で調整したり、Ctrlを押して1mずつ動かす等で調整するのが良さそうです。
もしくはProGridもあります。

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関連

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